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2021/04/21

VIVIANOオリジナル生地制作を追うVol.3

VIVIANO×KIRYU textileの新作が、4月6日から始まった上海ファッションウィーク2021AWで発表されました。今回のコレクション名は、古代フランス語で花を意味する「FLEURAGE」。クラシックなドレスのスタイル、シルエット、テクニックを、VIVIANOは現代的な解釈で再現しました。

桐生整染の生地によるジャケット
桐生整染の生地によるジャケット

KIRYU textileを使ったアイテムについては、「少し暗めの色が多かった今回のコレクションの中で花を添える存在となっています」とVIVIANO。「例えば、釣り糸を使った不思議な光沢を持つ桐生整染の生地は、パッと見は黒でも、光が反射してものすごく華やかになるんです」

桐生整染の阿部さんも「この生地独特の光沢を利用して、未来的な要素とカッコよさを表現していますね。生地をつくった当社としては狙い通りです」と、コラボの手応えを語っています。

そして前回、制作過程をリポートしたミタショーの変形千鳥格子柄のジャガードは、「クラシックなものをいかにモダンに見せるか」というVIVIANOの試み通り、近未来的で幾何学的なシルエットのアイテムに。

ミタショーの生地によるジャケットとスカート
ミタショーの生地によるジャケットとスカート

「この生地はクラシック感があるところも素敵ですが、ミタショーならではの技術が凝縮されていて、軽くて暖かくて着心地も最高なんです」とVIVIANO。ミタショーの三田さんも、「軽い生地なので贅沢に使ってもらえてよかったです。今回は既存の生地の色を変えただけですが、彼とは一から新しい生地を作る、そんなこともやっていきたいですね。桐生の特徴でもあるカットジャガードは、カットによって生地の表情がかなり変わるので、デザイナーとのコラボで新しいカット技術が生まれる可能性もある。そういうところにも期待したいです。彼はかなり独創的なので、こっちが思ってもいない使う方をすることもあると思うし、そんなことも楽しんでいきたいです」と、今後のさらなる展開に期待を寄せています。

カットジャガードの“思ってもいない使い方”といえば、今回の津久弘織物の生地がまさにそれ。鮮やかなイエローのカットジャガードは、本来はカットすべき部分をカットしないで、そのまま残しています。

津久弘織物の生地によるワンピース
津久弘織物の生地によるワンピース

濃淡の違う二色のイエローの糸が使われ、抽象的な植物柄40cmと無地50cmが交互に現れる生地。カットをしないまま残している柄の部分は、糸が引っかからないようにオーガンジーをかぶせています。「とてもかわいい仕上がり。特徴のある生地なので、柄の部分などは手にとって見てほしいですね」と、津久弘織物の津久井さん。

「今後もこのくらいのバランスで桐生の生地をコレクションに入れていきたいですね。もう普通の生地だと我慢できなくなってきてる(笑)。これまで3シーズン一緒にやって見えてきたことも多いし、もっとやってみたいこともいっぱいあります」と、VIVIANO。

「このプロジェクトの目標はきちんとビジネスとして成立させること。桐生の生地にマッチするブランドと長く取り組みを続けていきたいですね」と語ったのは桐生整染の阿部さん。それに呼応するかのようにVIVIANOは、「次は阿部さんのところの、経糸に転写プリントをして絣っぽいボカシを出す生地、あれをすごく使ってみたいんです」と、既に次のプランを考えている様子。

今後もさまざまなデザイナーを通してKIRYU textileの存在感をモードの世界でより広めていくために、このコラボ企画はまだまだ続けていきます。

VIVIANO SUE

グラフィックデザインを学んだ後、文化ファッション大学院大学を修了し、2015年に自身の名前を冠したファッションブランドを設立。東京を拠点に活動している。

Brand Profile

2015年にViviano Sueとしてスタート。2020年AWシーズンからVIVIANOにブランド名を変更。シーズンごとに設けたテーマを軸に、花々の色彩やシェイプからインスピレーションを受け、ドレスとレディ・トゥ・ウェアがシームレスに存在するコレクションを制作。http://www.vivianostudio.com/

●KIRYU textileは意欲的なデザイナーを募集中です。

VIVIANOとのコボレーションが各所で反響を呼んでいるKIRYU textileは、新たなコラボレーションを展開すべく、若いデザイナーを募集しています。桐生の生地を使って誰も見たことのないようなファッションをつくりたいという意欲的なデザイナーの方、是非一度、当HPの問い合わせ先までご連絡ください。それぞれに個性を持つ機屋がお待ちしています!