TEXTILES FOR
ANY KIND OF REQUEST
洋服をつくるための織り・編み・染め・刺繍・加工・縫製全てが揃い、
テキスタイルに関係するあらゆるものが桐生に集約されています。
多くのブランドが賞賛する
カットジャカードの技術。

古くから優れた織物の産地として発展してきた桐生。着物の反物や帯地などの絹織物から始まり、戦後は欧州や中東への輸出向けの婦人服地で大きく成長。現在はジャカード織とドビー織をメインに、天然素材から化学繊維に至るまで多種多様な素材を使い、最新の技術を用いたテキスタイルの開発が盛んに行われ、国内外のさまざまなファッションブランドのニーズ応えています。

ジャカード織は、フランス人のジョゼフ・マリー・ジャカールが「ジャカード織機」を開発したことから、その名称で呼ばれています。生地にプリントをするのではなく、経糸を一本一本個別にコントロールしながら、複雑で細かな柄やデザインを直接織り込んでいきます。10センチほどの大きな柄が作れるので、生地自体に立体感が出て表情も豊かになり、プリント生地のように色褪せしないのも魅力です。

桐生はこの細やかで多彩な多重織りと、カットジャカードのカット技術の高さに定評があります。ほとんどが手作業で行われるカットは、道具に対するノウハウや技術を習得するには時間が必要な職人技。デザイン上凝ったカットが必要な場合、その要望に応えられるのが桐生であり、巧みなカット技術によって生まれる唯一無二の高級感は、常に多くのファッション関係者に注目されています。

また、桐生ではドビー織も多く生産されています。ドビー織は一定の本数の経糸を一緒に上下させるので、数ミリ程度の小さな柄やチェックやストライプ、小さなワンポイント柄等の連続したパターンの生地に適しています。ジャカード織の表情豊かな表現に対して、ドビー織は緻密な組織を織ることができるため、とてもなめらかで端正な生地ができあがります。

伝統的なノコギリ屋根の
風景も魅力。

最先端のテキスタイルを創造しつつ、一方で桐生には明治時代に創業した機屋も多く、和装の技術を巧みに取り込んだ生地を創作している機屋もあります。また、太陽の光が一定して入ることで生地の色目が一定に見えるようにと北側の屋根にガラス窓を設けた伝統的なノコギリ屋根を持つ工場が今でも残り、風情ある街の一端を彩っています。現代のモードの世界で存在感を放ちながら、桐生にはこういった伝統の面影も多く残されています。

多様性と革新性が
桐生テキスタイルの真髄。

そして桐生最大の魅力は、洋服をつくるための織り・編み・染め・刺繍・加工・縫製がすべて揃っていること。織機の小さな部品を製造する鉄工所、古くから続く製糸工場などが周辺にあることも、歴史ある産地ならではの利点。テキスタイルに関係するあらゆるものが桐生に集約され、「ここに来れば欲しいものが必ず手に入る」と言っても過言ではありません。また、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、キュプラ、アセテート、麻、コットン、ベンベルク、ウールなど、合繊・半合繊・天然繊維のすべてを扱い、多種の素材を一つのテキスタイルの中にミックスしながら、常に新しい生地を創り出そうと試みている機屋の姿勢にも目を見張るものがあります。
桐生の人々の研究心やオリジナリティを重んじる姿勢は、テキスタイルデザインに対する真摯な眼差しにもつながっています。注文されたものをただ作るだけではなく、糸の開発から染色、織り、加工を通じて多彩なテクスチャーを持った生地を生み出しています。
それぞれの機屋は実に個性的で、古くからの老舗もあれば、他の土地から移り住んだ人もいるし、織物と編み物を融合させたり、他の織物産地とのコラボで独自の商品を開発したりする人もいて、訪れた人はその多様性と革新性に驚かされるでしょう。経糸と緯糸が組み合わさってできるのが織物。その構成はシンプルながら、使用する糸の種類や太さ、色、染め、密度、織り方、加工なども考えると、表現できるテキスタイルの数は無限大。桐生の機屋は、その無限の可能性に常に挑戦し続けています。